【本紹介】スタンフォードのストレスを力に変える教科書 ケリー・マクゴニガル著 大和書房

本書はスタンフォード大学の心理学の教授であるケリー・マクゴニガル氏がストレスへの対処法を示した一冊です。

 

 

本書の中で、人のストレスの捉え方には以下A,Bの2パターンあると述べてられています。

 

  1. ストレスは健康に悪いから、なるべく避けたり減らしたりして管理する必要がある。
  2. ストレスは役に立つから、なるべく受け入れて利用し、うまく付き合っていく必要がある。

 

アメリカでは85%の方がAの捉え方をしているとのことです。

 

日本でも多くの方がAの捉え方をしているのではないでしょうか。

 

 

この2パターンのストレスの捉え方ですが、著者はBの捉え方をすべきと述べています。

 

 

その理由の一つとして、ストレスを避けようとするAの捉え方では、

そのうちに自分自身や人生に対する考え方を歪めてしまうという問題点があると述べています。

 

仕事にストレスを感じれば「仕事が悪い」と考えます。

結婚生活にストレスがあれば、「こんな夫婦関係はおかしい」と考えます。

そうすると「自分の人生はうまく行っていない」という悲観的な考え方に繋がってしまいます。

 

さらに、生活のストレスはなるべく少ない方がよいと考えていると「ストレスをたくさん感じるのは自分がダメだからに違いない」と思うようになります。

 

アメリカの研究では「ストレスは害」と考える人ほどうつ病のリスクが高まることがわかっています。

 

これがストレスを避けようとするAの考え方の問題点の一つです。

 

 

一方で、ストレスをうまく利用しようとするのがBの考え方です。

 

著者はまず、生きがいある人生にはストレスは不可欠と述べています。

 

自分の役割にしっかりと取り組み、目標に向かって努力をすれば、目的意識を持って生きていける一方で、ストレスは避けられないからです。

 

ストレスを感じるのは、人生がうまく行っていないしるしではなくて、自分にとって大事な活動や人間関係に、どれだけ熱心に取り組んでいるかを示すバロメーターといえるでしょう。

 

なので、ストレスを上手く利用して力に変えることが大切と述べています。

 

これ以外でも本書では、不安を減らすトレーニング方法など、日々の生活で使えるメソッドが載っていて参考になりました。

 

また、ストレスを前向きに捉えるきっかけになりました。

 

 

ストレスは多くの方に関わりあるものだと思いますので、皆さんに本書をおススメします。